皆と同じ、をしている。





そう、俺だってごく普通のどこにでもいる健全な男児だ。
恋ぐらいする。いや、現在進行形で恋愛中だ。
でも俺は絶対他の奴等に比べたら幸せ者だと思う。俺自身こんな気持ちになったのは初めてだし、以前よりも人に対して優しくなった気がする。いい方へと俺を変わらせてくれたあいつは本当に凄い。世界で一番大事で、どんな人混みの中でも大好きだと叫ぶ事が出来るぐらい大好きなあいつ。

「がっくん、お待たせ。」

高くも無く低くも無い。でもすっげー落ち着くの声。どんなにイラついてたって、この声を聞くと少し冷静になれる気がする。

「がっくんて言うなって!」
「ふふっ、ごめんね岳人。」

こんなガキっぽい俺のどこがいいんだろう。俺って背は・・・まあこれから伸びるとしても、気が短いし落ち着き無いし、正直言って一緒にいる侑士の方が彼氏にするならもってこいだって思う。俺はあいつみたいに気が利くわけでもねぇし、女が嬉しいと思うような台詞も言えるわけじゃない。何では俺を選んだんだ?

「人を好きになるのに理由ってあるのかな・・・」
「そりゃきっかけぐらいはあるだろ。顔とか、性格とか・・・まぁ色々。」

急にそんな質問を投げかけたもんだから、は困った表情になった後でそう言った。そりゃ、俺だっていつの間にか好きになってたから、きっかけって聞かれると何がそうだったのかよく分からない。けど俺が先にを好きになって、に告った。それまで大して話した事もなかったのに、はあっさりと俺の一世一代の告白をOKした。その時の俺は有頂天になってて、どうして断られなかったのかなんて考えようともしなかった。

「顔とか性格・・・・・・」

俺の言葉を繰り返すと、はそのまま黙り込んだ。あ、やべぇ。こうなるとって自分の世界にすぐ入り込んじまうんだよな。やっぱ俺、余計な事言ったかも。

「うーん・・・」
「や、やっぱいい!俺達が今こうして付き合ってることに変わりはないんだしよ。うん、そうだそうだ!」
「あのね、岳人。」

パッと顔を上げて俺を見てくる。おいおい、直視されるとこっちの目のやり場に困るっての。付き合ってもう結構経つけど、俺はいまだにを見るだけで緊張する。声が聴けるだけで飛び跳ねたいぐらい嬉しい。ガキっぽいって思われるかもしれない。でもやっぱそれだけ俺はが好きなんだと思う。

「お、おう。」
「やっぱり理由は分からないけど・・・でもね、」
?」
「私は、岳人といると温かい気持ちになれるの。いいところも悪いところも全部、全部大好き。幸せなの。」

は本当に幸せそうに笑った。
俺ばかりがを好きで、幸せだって思ってたけど、そうじゃないんだな。
俺にも誰かを幸せにする力があったんだな。

「やべ、俺泣きそう・・・」
「ふふっ、ハンカチあるから泣いていいよ。」
「ばっ・・・男がそんな簡単に泣いてたまるかよ。」

俺の恋は現在進行形。
他の奴等と同じように人を好きになって、同じようにに付き合って。
そう、周りからみたら俺も世界中の奴等と同じで普通に恋愛してるだけなんだ。




ただそれだけなのに、




(自分は誰よりも幸せだって胸を張って言える。)




dear 【brihigh】
from 【Crisis:朱梨】(2007.2.26)