僕の彼女は猫を被っている。
○か×か。
正解は、
○。
「不二先輩!好きですッ」
「ありがとう…でもごめんね。知ってると思うけど僕には「先輩ですよね」
「勿論知っています。不二先輩は先輩が大好きで大好きで仕方ないんですよね」
「…うん…。そうだよ。」
そうハッキリ言われると少し照れくさいなぁ、
「…ッなんで…。先輩なんて…ただ猫を被ってるだけじゃないですか…」
「僕もそう思っているよ」
「じゃあなんで!?」
なんで…だって?
そんなの好きだからに決まってるじゃないか。
「好きだからだよ。」
「じゃあ私が猫被りになったら不二先輩は私の事好きになってくれるんですね!?」
「そんな訳ないよ。」
当たり前。
僕は名前も知らない君の事なんか好きにならない。
「僕が好きなのはだから。誰が猫被ってたってしかいらないから。」
そう、僕はしかいらない。
「周助?また告白されたの?」
「やぁ」
「やぁじゃないよ!可愛い二年の女の子に告白されたんでしょ?」
「クスッ、そうだよ、可愛い二年生」
「………むぅ……」
本当は可愛いなんて思ってないよ。
だって僕が可愛いと思うのはだけだもの。
そうやって頬を膨らましてるのも僕の前だけなんだろうね、
後で可愛い二年生を締めに行くつもりかな?
「さぁ帰ろうか」
「うん…………」
拗ねたように髪を触るのも何処かの雑誌の受け売りなんだろうね。
「しゅーすけ」
「ん?」
「だいすき…」
ふわっとの匂いがする。
甘い香り。
「僕もだよ………」
は本当はこんな性格じゃない。
そんな事青学に入学してきた時から知っている。
本当はガサツで気が強くて俺様天下な跡部みたいな性格なんだって事。
そんな事はとっくの昔に…ね。
それでも僕は好き。
なんで僕がの事を好きになったのかって?
それはね、が他の人にはしない態度を僕にだけ取るからだよ。
僕にだけ猫を被ってるからだよ。
だって、猫を被ったのいい所と本当ののいい所。
僕は二つのの良い所を知っているんだよ。
そう、僕だけが。
それがなんだかとても良い気分で、を愛しく思える理由なんだ。
僕にだけ猫を被る君がどうしようもなく……
大好きなんだ。
「周助?何で笑ってるの?」
「クスッ…が可愛いからだよ」
「もうっ…」
―ちゅっ
「愛してる…」
君の被る猫を知っても、尚、僕は君が大好きなんだ。
fin
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○あとがき○
Sですね〜不二さんは〜…。
駄文で御免なさい(凹
でもお題ってこんな楽しいもんなんだ♪
と実感しました。
書いてて楽しかったです。
このような素晴らしい企画に参加させてもらって
私は幸せ者です。
ありがとうございました。
背景画像⇒ふわふわ。り